T's skill教育技術研究所(ティーズ スキル)

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■教育技術関係のお話

 02/01 「本屋さんでのワンシーン」


 先日、生徒に渡したい本があって、本屋で物色をしていたところ
 ある親子が口論になっていました。

 お父さん「この本は勉強になるから読みなさい」
 子供  「えーいらないよ」
 お父さん「すごくためになるから騙されたと思って読んでごらんなさい」
 子供  「だからいらないって」
 お父さん「どうしていらないなんて言うんだ?」
 子供  「だって、そういう本は読むとき頭を使わないといけないじゃん」
 子供  「いちいち考えながらじゃないと読めない本は読みたくない」
 お父さん「じゃあ、どんな本なら良いんだ?」
 子供  「考えなくても眺めてれば良い本」
 お母さん「みんな考えながら本を読んだりするから勉強になっているんじゃない」
 お母さん「考えないで見てるだけで頭が良くなったら誰も苦労しないわよ」
 子供  「だって、考えないといけない本は疲れるもん」
 お父さん「じゃあ、本を買うのはやめよう、帰ろうか」
 子供  「えー マンガ買ってくれるって言ってたじゃないかー」

 恐らく、お父さんがお子さんに読ませたい本があって、マンガを買ってあげることをダシに
 本屋さんまで連れ出してきたところまでは良かったのですが、お子さんがその本に対して
 拒絶反応をしてしまって、口論になったのでしょう。

 考えなくても良い本・・・本当にムシの良い話、ですよね。
 考えることで脳を使うから、脳の伝達経路や記憶の構造が作られていって、新しい知識が
 脳の中に蓄積されていくのでしょうが、そこは説明しても感情が受け付けないのでしょう。

 苦しいトレーニングをすることなく、ホームラン王になりたい、と言っている様なものですから
 大人の立場からすれば、とんでもない理屈ですよね。

 けれど、それを理詰めで追い詰めて、仮にその本を読ませたとしても
 きっと効果はほとんど期待できないでしょう。

 それは「自分にとって必要だと思っていない」ことを「無理矢理やらされている」から・・・

 だから、拒否している理由も、本当は考えることが嫌だから拒否しているのではなく、
 もしかすると、自分が望んでいないことをやらされそうになっているから
 子供なりの「やらないで済むための理由探し」をした結果、その様な言い訳をしているのかも
 知れません。

 子供に何かをやらせるとき
 まずはその子が本当に望んでいる未来像、目標を話し合ってみましょう。
 きっと、この親子にはそこが欠けてしまって、
 お父さんの「これを勉強させたい」という想いだけが先行してしまったのでしょう。

 だから、子供が「自分のため」と自覚をすることなく、「何だか分からないけれどやらされている」
 という受け身になってしまったことが拒絶の第一の原因と言えるでしょう。

 何かをやらせるタイミング。
 それは、子供が目標を持って、何かをやりたい、と思ったとき・・・

 ですから、日頃から、子供がどんなことに興味を持って、
 何をしたいと思っているのか、を聞いたり話し合ったりする習慣がとても大切なのです。

 突然、思い立って、「これをやらせたい!」と思ってもまず上手くいくことはないでしょう。



 ちなみに、私はLotus123という表計算ソフトのマクロプログラムについて父親から勉強する
 ように仕向けられました。

 パソコンをゲーム機としか見ていなかった私はゲームが欲しくて仕方がありませんでした。
 そこで、「そんなにゲームがしたければ自分で作れ」という一言にプログラムに興味を持った
 私にパソコンが仕事に必須な道具になると思っていた父親は仕事に活かせる技術を学ばせ
 ようと表計算ソフトをマスターさせよう、としていたのでしょう。

 勉強用のビデオや教材を突然買ってきて、勉強することになったのですが、
 当時、中学生でしたが、学校の勉強そっちのけで必死に取り組み、表計算ソフトで
 住所録システムやゲームを作成ができるまでになりました。

 なぜ、そこまで打ち込んだのか、ずっと不思議でしたが今になって思えば
 父親の「この教材を使って、どっちが早くマスターできるか勝負だ」という一言が私に火をつけた
 のかも知れません。

 中学生にはどうせ無理、と見切りをつけられていたのなら、きっと今でもパソコンを使えるように
 はなっていなかったかも知れません。しかし、ゲームを作りたい、と目標を持ったそのタイミング
 を逃すことなく、表計算のマクロプログラムと出会わせてくれたことは大変大きな財産になりまし
 た。


 要は、興味の芽をいかに逃すことなく育ててあげるのか、ということを忘れてはいけない、という
 ことなのです。
 知りたい、やりたい、伸ばしたい、と思ったときが差し出すタイミング。
 それを忘れないようにしてあげましょう。

 そうすれば、きっと、初めにお話した子供も考えて本を読んでくれたはずですから・・・

                                                        moro

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